AVEVA、プラントプロセスシミュレーションのソフトウェアをTopsoeに提供し、グリーン水素のグローバルエコノミー促進を支援
水素製造市場の成長に寄与する固体酸化物電解セルの設計を、AVEVA Process Simulationで迅速かつ効率的に実現
産業用ソフトウェアの世界的なリーダーとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)および持続可能性を推進する英AVEVAは、二酸化炭素排出量削減の技術を提供するデンマークの企業Topsoe (トプソー)がプロセスプラントのライフサイクル全体をデジタルツインで再現できるソリューション、AVEVA Process Simulation1を採用し、AVEVAがグリーン水素をはじめとしたカーボンニュートラル燃料の製造に必要な脱炭素ソリューションの迅速な開発をサポートしていくことを発表しました。Topsoeは、AVEVA Process Simulation を活用して固体酸化物形電解セル(SOEC)のモデリングを行い、制御戦略の設計・開発の最適化を目指します。
世界が掲げるネットゼロ目標の達成には、あらゆる産業が迅速に脱炭素化に取り組むことが求められます。一方、すべての産業が容易に電化に切り換えられるわけではなく、海運や航空などの重量物輸送業および、鉄鋼業や石油化学工業などの炭素集約型産業は、脱炭素化が困難な分野に挙げられています。これらの産業では、化石燃料をカーボンフリー燃料へ置き換えることが課題となっていますが、Topsoeの電解槽による高効率SOEC技術を活用することにより、炭素集約型産業が脱炭素化に取り組むために必要なグリーン水素の製造が可能になります。AVEVA Process Simulationは柔軟性、オープンなモデリング、使いやすさを兼ね備えており、Topsoeの技術者は電解槽の設計や最適化を迅速かつ効率的にできるようになり、早急な対応が求められるエネルギー転換の加速を支援します。
TopsoeのPower-to-X部門、最高技術責任者(CTO)を務めるポール・ゲオルク・モーゼス(Poul Georg Moses)氏は、次のように述べています。
「グリーン水素は、電化への移行が容易でない産業が脱炭素化を進めるためには不可欠なものです。ネットゼロ目標の達成に残された時間が限られるなか、Topsoeはすでに世界最大のSOEC電解槽製造施設を建設することで業界をリードしており、グリーン水素技術であるPower-to-Xソリューション2 の産業規模での提供を実現します。AVEVA Process Simulationは、ダイナミックなシミュレーション技術でボトルネックとなっている課題を解決してソリューションの開発スピードを加速させることができるため、Topsoeにとってゲームチェンジャーとなるソフトウェアです。」
AVEVA の製品担当バイスプレジデント、トビアス・シェーレ(Tobias Scheele)は、次のように述べています。「Power-to-X 産業が進展するなか、Topsoeとの関係を発展させることができるのは光栄なことです。エネルギーの転換には、産業界がどれだけ迅速かつ大規模に低炭素ソリューションを提供できるかがカギとなります。AVEVA Process Simulationは、エンジニアリングサイクルを加速させ、イノベーションを迅速に実行して直ちに炭素削減に寄与することができるでしょう。」
TopsoeはAVEVAにとって長年の顧客で、数十年にわたりAVEVA PRO/II Simulation(旧PRO/II)とAVEVA Dynamic Simulation(旧DYNSIM)を活用してきました。Topsoeはデンマークに本社を構え、グローバル規模でのネットゼロ推進によるグリーンエネルギー製品の需要増加に応えるべく、現在AVEVA Process Simulationの導入を進めており、自社エンジニアによる持続可能なソリューション設計を目指しています。
AVEVA のサステナビリティ担当グローバルヘッドのリサー・ウィー (Lisa Wee)は、次のように述べています。
「AVEVA の目標は、お客様とのパートナーシップとテクノロジーの活用を通じて、あらゆる人にとっての持続可能かつ公平な未来を実現することです。私たちは、この10年における世界中の産業の選択と行動が、現在だけでなく次世代にも影響を及ぼすと考えています。AVEVAのソフトウェアと Topsoeの革新的な技術により、そうした次世代へのエネルギー転換に貢献できることを光栄に思います。」
国際エネルギー機関(IEA)は、2021年時点での世界の電解水素の製造能力では、ネットゼロ達成要件を満たすには不十分であると報告しています。現在の水素発生装置は、アルカリ電解槽と高分子電解質膜 (PEM) が大半を占めており、電解水素で生成される水素製造の0.1%以下となっています。しかしながら近年、再生可能エネルギーは急速に低コスト化しており、Topsoeの超高効率 SOEC電解槽は、同じ電力量でありながらコストを30%低減でき、最大30%の水素供給増加を実現できるため、クリーン水素供給の最大化に貢献します。
以上
注:
1 AVEVA Process Simulation :持続可能性をプロセスエンジニアリングの軸に、設備、プロセス、プラントの設計と最適化を行えるソフトウェア。ライフサイクルシミュレーションでは、統合された単一のモデルにより、資本プロジェクトエンジニアリングからオペレーションに至るまで、ライフサイクル全体を通じた価値を提供します。
2 Power-to-X:電気を熱、水素、合成燃料に変換する各種プロセスの総称。本プレスリリースでは、水の電気分解による水素と酸素への変換プロセスを指します。
AVEVAについて
AVEVAは、産業用ソフトウェアのグローバルリーダーとして、独創的なソリューションで適切に世界中の資源の有効活用をサポートしています。AVEVAの安全な産業用プラットフォームとアプリケーションを利用することで、企業は自社の事業を最適化するだけでなく、お客様、サプライヤー、パートナーからなる幅広いエコシステムとの連携を強化できます。
AVEVAは、人、信頼性の高い情報、AIのインサイトを結びつけ、企業がよりスマートなエンジニアリング、適切な経営、持続可能な価値の創出を支援しています。Fast Company誌により世界で最も革新的な企業の1社に選出され、オープンなソリューションと、世界中の6,400人以上の従業員、5,000社のパートナー、5,700人以上の認定開発者の専門知識を活かし、お客様をサポートします。世界中で事業を展開するAVEVAは、英国ケンブリッジに本社を置きロンドン証券取引所に上場し、FTSE 100の構成銘柄にも選ばれています。
詳細はhttps://www.aveva.com/ja-jp/をご覧ください。