設備総合効率(OEE)
設備総合効率(OEE)は、プラントや工場におけるオペレーション効率や生産性を測定するための非常に優れた基準です。OEEは、製造プロセスが品質基準を満たす製品を製造している時間の割合を特定する強力な主要業績評価指標(KPI)です。基本的には、生産ライン、機械、ワークステーションの最大パフォーマンスと比較した製造パフォーマンスを測定するものです。
最も成功している製造業企業は、OEEの測定が不可欠であることを認識しています。OEEは、ほぼリアルタイムに測定および可視化することで、オペレーターが問題を早期に発見し、ダウンタイムを最小限に抑え、無駄を削減して生産性を向上させる機会を特定するための指標となります。OEEや関連する稼働率、パフォーマンス、品質の詳細データは、生産性を低下させている根本原因を特定し、生産ラインやプラントの設備稼働率を向上させる方法を決定する上で極めて重要です。
これを実現するため、最高のOEEソリューションでは、最先端のソフトウェアとIoT対応のセンサーやエッジデバイスを組み合わせています。また、既存の自動化と統合することも可能です。
しかし、OEE指標を計算し、追跡し、最大限活用することは困難です。そこでAVEVAが活躍します。
当社のOEEソリューションのメリット
AVEVAのOEEソリューションは、生産ラインをリアルタイムに監視および可視化するのに役立ちます。これによって、オペレーターは効率を明確に把握することができ、改善すべき点を特定し、生産に影響が出る前に問題を発見することができます。結局のところ、生産プロセスの効率はライン上で最もパフォーマンスが低い設備のレベルで頭打ちとなります。
たとえば、当社のソリューションでは、OEEをリアルタイムに可視化することで、オペレーターが待機時間や計画外ダウンタイムを予定稼働時間と比較し、迅速に是正措置を講じることができるようにします。短時間の停止とその理由を把握することで、生産能力低下の根本原因を特定し、継続的改善の対象を特定できます。また、設備の使用状況に基づいて予防保全のスケジュールを設定することができ、機械の修理費用を削減したり、生産ラインの停止を未然に防いだりすることができます。
AVEVAのOEEソリューションはユニークです
当社のOEEソフトウェア、ツール、ソリューションは、手作業の書類処理や事後報告を、リアルタイムのダッシュボードや分析へと置き換えます。製造プロセスのスピードと柔軟性を高め、ビジネスゴールに合わせた生産とオペレーションの調整をサポートします。
測定
一貫性のあるレポートはビジネス全体におけるデータを比較するための基盤となるため、当社のOEEソリューションでは設備パフォーマンス指標とKPIを標準化することから始めます。
可視化
リアルタイムのパフォーマンス指標によって、生産プロセスを明確かつ詳細に把握することができ、設備のダウンタイムを削減するための実用的な情報が得られます。
改善
当社のOEEソリューションは、設備の効率改善、設備の稼働時間と製造能力の向上、コストの削減、製品品質の向上を支援します。
AVEVAのOEEソリューションの主な特徴
測定
設備のパフォーマンスを管理して向上させるには、ビジネス全体における一貫したデジタル化と指標の統一が重要です。
- オペレーション全体におけるレポートの信頼性向上と標準化
- 設備投資の効果向上
- ビジネス上の意思決定の改善
- ベストプラクティス共有の容易化
視覚化
可視化されたリアルタイムのパフォーマンス指標とドリルダウン分析により、関係者に実用的な情報を提供します。
- 設備のダウンタイムの削減と生産能力の向上
- オペレーション効率の向上
- 収益性の改善
- オペレーターを手作業のデータ収集タスクから解放
改善
OEEソリューションを継続的改善戦略の一環として使用しているオペレーションでは、大幅なパフォーマンスの向上が報告されています。
- OEEが20~30%向上
- 設備の稼働時間が最大20%向上
- 製造コストが最大30%削減
- 生産品質が最大5%改善
OEEのFAQ
OEEとは、Overall Equipment Effectiveness(設備総合効率)の略です。簡単に言うと、プロセスの有効性と効率性を測定するシステムのことです。製造業では、生産プロセスが品質基準を満たす製品を生産している時間の割合をOEEで判断します。これは、生産ラインが期待どおりに稼働している時間を示しています。最も成功している製造業企業は、OEEの測定が効率の維持と改善、損失やダウンタイムの最小化に不可欠であることを認識しています。
OEEは、機械の稼働率、パフォーマンス、製品品質に関連する3つの主要なデータを使用して計算されます。
OEE = 稼働率 x パフォーマンス x 品質
- 稼働率は、本来稼働しているはずの生産が停止している時間を反映しています(稼働時間÷利用可能時間)。
- パフォーマンスは、製造プロセスが最適な速度で稼働しない原因となるすべてのものを反映しています(総生産数÷(目標生産率 x 稼働時間))。
- 品質は、品質基準を満たさない製品の割合を反映しています(良品数÷総生産数)。
OEEスコアが100%ということは、工場が予定された稼働時間中に停止することなく、品質基準を満たす製品を可能な限り速く製造していることを意味しています。実際には、100%のスコアを実現することはできません。多くの生産ラインのスコアは60%程度となり、改善の余地は十分にあるといえます。一部のアナリストによると、OEEスコアが85%というのは非常に優れた値で、現実的な長期目標であるとのことです。一方、OEEスコアが40%というのは低いですが、珍しいことではなく、容易に改善できます。
OEEを改善する最も効果的な方法の1つは、測定を最新のソリューションで効果的に行うことです。また、プロセス内のすべての機械から情報を収集するのではなく、ビジネスにおいて重要な機械から得られるデータに焦点を当てる必要もあります。過去の指標を使用するのではなく、リアルタイムのデータを収集することも重要です。これによって、今何が起きているかを知ることができます。また、特定のビジネスに合わせて設計されたOEE計算式を使用することも重要です。たとえば、一部の製造プロセスでは、パフォーマンスと品質が最優先され、製品の小規模な不具合は問題にならない場合があります。
OEEは、製造プロセスの効率を維持および向上させ、製品の品質を確保するための鍵となります。OEEを長期的に監視することで、製造オペレーションの基盤として使用できる情報を得ることができ、生産量の増加、オペレーション効率の改善、費用対効果の向上を実現することができます。たとえば、OEEを活用することで、オペレーターは設備が最大限の生産能力を発揮していることを確認することができます。これは新製品の発売時などに重要です。オペレーターが製造プロセスの各部の有効性を確認し、問題を特定して優先順位を付けるのに役立ちます。また、OEEを使用すると、メンテナンスをタイムリーに計画し、生産ラインの停止を未然に防ぐことができるため、機械の修理費用を削減することもできます。